下記は「10月は自律神経障害の啓発月間~ライトアップ・オンラインイベント2023~」の時に、看護師の勤務経験が長く、その後に発症したHさんから頂いたメッセージの要約です。

医療従事者の患者さんからのメッセージの時のZOOMイメージ

私は8年前にPOTSを発症し、1年半後に慢性疲労症候群(ME/CFS)と診断されました。現在40代で、パフォーマンススケールは当初は7くらいで、現在は5から6を行き来しています。
私は看護師で、この病気になってからもしばらく前は、障害児向けの看護師の仕事を週に一度、4、5時間していました。しかし次第に辛くなり、いまは視覚障害者の方の文字起こしを校正する仕事をしています。ただ症状に波があるので、これも体調が悪い時は休みながら行っています。


私はPOTSになる2年前に手術をし、痛みから少しずつ回復する中で、POTSを発症しました。看護師としての知識は持っていたし、情報の得やすさもありましたが、それでもこの病気にたどり着くのは大変でした。

この病気は長引くと、自分を責めたり、身近な人に対して苛立ちを感じることも出てきて、人や社会との関わりがむずかしいと感じています。


私は“自分の体の声を知る”ことが大切と考えています。そしてこの病気の症状は、小さな事でも人に伝えることはむずかしいので、朝起きた時に「今日の調子はどう?」と自分に問いかけ、痛みや不快感を感じたら、私の場合は低気圧や満月・新月の前の影響を受けやすいので、それかどうかを考えたりしています。
自分を理解することによって、家族や仕事の同僚にどのように配慮をお願いするかが明確になります。


私は看護師としてさまざまな患者さんに向き合うことを長い間してきましたが、自分がこの病気を経験して初めて、こんなにむずかしい症状を他の人が理解することはとてもむずかしいと実感するようになりました。ですので自分の症状を知り、それを伝えることの重要性を感じています。


病気になると、健康、仕事、お金、全てを失ったような感覚に襲われることがあります。動ける人、気分転換できる人、ポジティブな人もいる一方で、ネガティブな感情に陥ることがあります。でもネガティブな感情は人間らしさであり、否定するものではないと考えています。この病気になって得た気づきから、人の役に立ちたいという気持ち、優しさ、思いやり、小さな幸せ、心地良さを見つけて大切にしたいです。

またブレインフォグなどは、自分で症状に気づき、自分の活動量をコントロールしようとする事自体が前進なので、“気づけた”“出来るようになった”ことをほめたいと考えています。


家族も患者も、わかりたいのにわかれないつらさがあると思います。しかし日本に生まれて、インターネットが使えて、情報にたどり着ける環境に感謝しています。わからないことがあることを理解し、感情や身体の症状を大切にし、心地良い時間、ほっとする時間を増やしていけたらと思っています。

多くの気づきと、向き合い方を教えて頂き、本当にありがとうございました。

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