下記は「10月は自律神経障害の啓発月間~ライトアップ・オンラインイベント2023~」の対談インタビューの時に、Mさんに教えて頂いたお話の要約です。

対談インタビュー2のZOOMイメージ

私は高校1年生の時にPOTS(起立性調節障害)を発症し、全日制高校に通えなくなり、通信制高校に転校しました。
無理をして悪化し、長時間の歩行ができなくなりました。大学在学中にはME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)の診断も受けました。
頻脈をおさえる薬を服用したり、電動車いすのWHILL external-link-symbolに乗っています。胃腸の不快感と下痢については薬も工夫も効果がなく、内視鏡検査で異常が見つからず原因不明で困っています。


高校3年生の時に、いまの病院で他の心疾患が見つかりました。以前の小児科では採血や心電図検査を一度もしていなかったため、その心疾患に気づけず、禁忌薬であるβブロッカーを服用していました。いまの主治医に出会わなければ最悪の事態の可能性もあったため、最低でも年一度は検査を行う重要性を痛感しました。

最も助けになったのは家族のサポートです。特に母親が「あなたが一人になっても生きていけるように、今から準備をしていこう」と言ってくれて、前向きに行動する力になりました。また飼い猫も大きな癒しになっています。


大学は体調の悪化で体力的に厳しくなり退学しました。経済的な自立をめざして障害者手帳を取得しました。障害者就労支援センターで、在宅訓練可能な就労移行支援事業所を紹介してもらい、パソコンのスキルを学びながら仕事を探しました。

いまは神奈川県の非常勤職員としてOriHimeパイロットをしています。1日3時間×週3日の完全在宅勤務で、今年度は相模原市の福祉ショップに設置したOrihimeを遠隔操作し、「ともに生きる社会かながわ憲章 external-link-symbol」のPR業務を行っています。とてもありがたい勤務形態で、体調を悪化させることなく、発症前からやりたかった人と関わる仕事ができて嬉しいです。
また共生社会の実現に向けたメタバース研究会に参加し、障害者や引きこもりの人々がメタバースを活用して社会参加できるように取り組んでいます。


新たにPOTSやME/CFSと診断された人は、とにかく無理しないことが大事です。無理せず今できることを少しずつやってみて選択肢を増やすといいと思います、
就労については体調に合った仕事を見つけるのは簡単ではありませんが、チャンスがきたときにつかめるように、環境を整えて準備するといいと思います。
学校での配慮のお願いは、診断書やPOTS and Dのリーフレットを先生方に渡す、POTSの数値を見せるなど、遠慮せずに詳しく説明するほうがいいです。車いすの使用もおすすめです。

病をもちながらどのように過ごすか、貴重なお話を教えて頂き、本当にありがとうございました。

過去のセミナーの実施模様・アンケート結果