下記は「10月は自律神経障害の啓発月間~ライトアップ・オンラインイベント2023~」の対談インタビューの時に、Kさんに教えて頂いたお話の要約です。

対談インタビュー1のZOOMイメージ

私は自己免疫が関与しているPOTS・自律神経障害による起立不耐症や消化器症状により、日常生活に支障をきたしています。
立ちくらみや長時間立っているときの頭痛・吐き気、胸部の不快感、倦怠感などで立ち続けることが難しくなったり、消化器症状として胃酸の逆流、食後の頭痛・動悸・倦怠感により、食事をとることが難しくなることがあります。


発症は中学3年生の春。それまでは中学校の授業に加えて吹奏楽部の活動や、複数の習い事もしていましたが、発症してからは学校に通うことで精一杯になり、部活や習い事はあまりできなくなりました。


高校受験時には科目数の少ない私立単願入試を選び、全日制の普通科高校に入学しました。高校進学後、少しずつ体調のコントロール方法がわかり、学校生活を続けることができました。大学付属の高校に進学したので、内部進学で大学に進むことができ、大学受験が必要なかったため体調の維持につながりました。

大学では理解してくれる先生方のサポートを受けながら、定期的な治療や通院を続けつつ、医療系の学科を卒業し医療従事者として病院に就職しました。


中高の頃に通院していた総合病院の小児科の主治医は、POTSや自律神経障害にあまり詳しくなかったため、本格的な治療を行うことができたのは地元を離れて大学へ進学してからでした。


大学在学中はいくつかの配慮をお願いしましたが、大学の担任の先生に、病名や症状、困っていること、配慮してほしいこと等を紙に書き、イラストを添えて伝える等わかりやすく伝える工夫していました。医療系の大学だったので先生達の理解は得やすかったと思いますが、それでも症状について伝え、理解を得るのは大変でした。

配慮について申請する際に、POTSandDさんのパンフレットがとても役に立ちました。またその際に伝えるべき事について、SNSで知り合った同じ境遇の友人達からもアドバイスをもらい、とても参考になりました。進学したのが医療系学部だったため病院での臨床実習などもあり、うまく連携が取れるよう、早めの報告、連絡、相談を心がけていました。


大学4年生になり、この体調で就職ができるのかと悩みましたが、体調を考慮しながら、やりたい仕事を選び病院に就職しました。就職試験時は持病のことはクローズにしていましたが、入職してから病名と就労可能である旨が書かれた診断書を提出して働いています。

現在も治療や通院でお休みすることが多々あるので、その度に休暇も取っており、病気休暇の取り扱いがあるのか、有給休暇がどのくらい使用できるのか等、入職前の福利厚生の確認は重要と感じています。

体調に関することでの職場の上司とのコミュニケーションの取り方がわからず、ハローワークの難病就労支援に相談し、そこで色々とアドバイスをいただき、上手に上司に伝えることができる方法を学びました。専門の人に頼る事は大切であると教訓になりました。


「自律神経失調症」という言葉が世間でよく言われ、誰にでもあるちょっとした不調のような誤解を受けやすいですが、自己免疫性の自律神経障害があること、それにより日常生活が大きく障害されることがあるという事実を知ってほしいです。
全てを理解してもらうことがなかなか難しいため、このような病態があることを知ってもらえるだけでありがたいと思っています。

病をもちながらどのように過ごすか、貴重なお話を教えて頂き、本当にありがとうございました。

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