関西医科大学総合医療センター小児科 石崎優子先生には「POTSに対する臥位エルゴメーター開発による運動療法」をお話頂きました。
最近の国際的・学術的なトピックスとして、コロナの感染や予防接種、自粛生活によるOI、POTSの発症の報告を紹介頂きました。
また小児の起立不耐症の分類として、起立直後の血圧低下、POTS・失神、体重減少による起立不耐症があり、特にPOTSの多様性の一つとしてデコンディショニング(身体不活動)が示されていることを教えて頂きました。これはPOTSで身体を動かせない状態が続くことで、循環血液量の減少、心臓サイズや心拍出量が低下し、さらなる症状悪化をもたらすという考え方です。
デコンディショニングは老人医学や宇宙医学ではよく知られており、OI、POTSでは骨格筋ポンプ作用の低下、運動不耐能低下、起立耐性低下、がポイントになります。宇宙医学では予防策として宇宙での自転車こぎ運動が薦められており、これをOI、POTS患者さんが臥位・半臥位ではじめられるように、トレーニング機器(エルゴメーター)を開発されたことを教えて頂きました。
POTSの症状をもちながらの立位運動は難しいため、横になってできる運動にトライする事。全国の患者さんに「ふくらはぎに力を入れる」「足に力を入れて壁を押す」「家庭用フィットネスバイク」(コロナ禍で比較的安価な商品が販売されています)という方法を教えて頂きました。
各講義の実施模様を順次掲載しています