「POTS・起立不耐症セミナー2023」では、参加者の皆様にアンケートを行い、患者様がおかれている状況をおしえて頂きました。

患者様のおかれている状況

セミナーには全国からご参加頂きました。参加者の属性は、患者さんが約37%、ご家族が約45%に加え、医療・福祉の関係者、学校の先生、支援者、関連疾患の方にもご参加頂きました。なお医療・福祉の関係者の参加者は、ご自身が患者さまや、患者さまのご家族であるケースが複数含まれています。
POTS・起立不耐症セミナー アンケート結果1


患者様の年齢は、20歳未満が約40%で、20歳以上が約60%でした。ほとんどの方が若い年齢で罹患している事がわかります。
発症からの期間は、発症から間もない6カ月未満の方から、長く罹患している10年以上の方までいらっしゃいました。

POTS・起立不耐症セミナー アンケート結果2


発症のきっかけとして思い当たることは、精神的負荷、身体的負荷、身体の成長に加え、発熱や感染症、新型コロナウイルス感染症や、その予防接種、親族の罹患がある、思い当たるきっかけが無いなどが挙がっています。

POTS・起立不耐症セミナー アンケート結果3


自力で外出できるおおよその頻度は、週5回以上の方は約25%でした。残りの約75%は外出の困難を抱えており、特に週1回以下の方が約50%で、日常生活に大きな支障をきたしていると考えられます。
自力で外出できるおおよその時間帯は、朝は10%以下、15時~18時は約40%、1日中外出できないという回答は30%を超えています。

POTS・起立不耐症セミナー アンケート結果4


ここで、POTS・起立不耐症は、症状が24時間365日全く同じではなく波があることを考えながら、皆様が1週間単位でどのくらい外出活動に困難を抱えているかを確認するため、外出頻度と外出時間帯を、便宜的にかけあわせました。
すると約90%は1週間に40時間以上の外出活動が難しい事がわかり、通常の就学・就労が難しいと考えられます。特に約80%は1週間に20時間以上の外出活動が難しく、就学・就労の難しさが深刻であると考えられます。
診療や支援がすすむこと、在宅・オンラインの就学・就労など、さまざまな取り組みが必要と考えられます。

POTS・起立不耐症セミナー アンケート結果5


参加者のみなさまからの声

参加者のみなさまから医療や社会に向けて、以下のような声を頂きました。

認知や理解への願い

POTS・起立不耐症セミナー 患者さまの声1


診療体制・なかなか良くならない事に対する願い


体調や療養の悩み・疑問

POTS・起立不耐症セミナー 患者さまの声3


社会の配慮・支援のニーズ・願い

POTS・起立不耐症セミナー 患者さまの声4


本セミナーがわかりやすく具体的で有意義だったというお声をたくさん頂くとともに、今後のセミナーや活動で取り上げて欲しいテーマなどのご意見・ご要望も頂きました。
これからもPOTS・起立不耐症の理解が深まり、診療や支援につながるなど、お一人お一人の状況が少しずつでも良くなるように取り組んでまいります。


過去のセミナーの実施模様・アンケート結果