2023年7月30日(日)に「POTS・起立不耐症セミナー2023 ~重症例・難治例のポイントと最新動向~」を開催し、猛暑のなか、130名以上の方にオンラインと会場からご参加頂きました。
東京女子医科大学附属足立医療センター 内科・リハビリテーション科の佐藤恭子先生、富山大学 脳神経内科の中根俊成先生、国立病院機構 災害医療センター 小児科の松浦優子先生にご講演を頂きました。
またKJ起立性調節障害オンラインコミュニケーション様からのご案内も頂きました。

起立不耐症を引き起こす疾患、代表的な疾患であるPOTS、POTSの問題点として、致死性ではないが社会生活を著しく障害し、社会的認知度が低く、罹患年齢が本来活動的である事をお話頂きました。
皆様の質問のなかから、成人発症、日常生活や就労の難しさ、生理、行政や復職の支援、について教えて頂き、両立支援コーディネーター
への相談もアドバイス頂きました。
POTSの症状・診断、さまざまな薬物療法を挙げて頂くとともに、セルフケア「ゆる体操(紹介動画ページにリンクします)
」「呼吸法」「起立訓練・壁柱角縦割脊法(本のAmazonページにリンクします)
」をイラストや写真で丁寧に教えて頂きました。

免疫の仕組み、免疫の不調がPOTS・起立不耐症に影響することについて、自律神経症状にはどのようなものがあるか、関わる診療科が多く総合力や協力を要すること、自律神経の検査にどのようなものがあるか、自己抗体の検査について、わかりやすく教えて頂きました。
また最新情報として、全国調査:難病プラットフォームによるレジストリ構築支援(研究班のページにリンクします)
のお話、海外の疾患啓発団体 Dysautonomia International
で講義された時のお話を伺いました。
海外で行われている啓発活動も参考にしながら、患者さんが自身の症状を説明したり、検査や治療の目的を理解したり、治療の効果の有無などをコミュニケーションする大切さを教えて頂きました。

この病気と似た身体症状が現れる疾患は数多くあるため、除外診断が重要であること(具体例「アデノイド増殖症・口蓋扁桃肥大」「洞性頻脈」もお示し頂きました)、頭痛の対策には、頭痛タイプの見極めや、頭痛ダイアリー(日本頭痛学会のページにリンクします)
を活用すること。
身体リズムには、心疾患系の自律神経障害のリズムと、睡眠-覚醒系のリズムがあり、両方を整えることが大切であること。まわりの人や学校の先生の理解に役立つ Youtube動画(OD Working Groupの動画にリンクします)
の紹介。
診断書作成の具体的なポイント、長期的な経過で、腹痛、頭痛、疲労感などが続くことがあること、生理食塩水の点滴治療について、丁寧に教えて頂きました。



POTS and Dysautonomia Japanは、POTS・起立不耐症でお困りの方が、正しく理解され、お一人お一人の適切な診療・支援につながるように、これからも取り組んでまいります。
先生方、参加者の皆様、ご支援・ご協力を下さった皆様に心より御礼申し上げます。
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