POTSの診断基準 1,2,3,4

  • 立位で諸症状(立ちくらみ、動悸、震え、脱力、目がぼやける、運動不耐、疲労感などの症状)が悪化し、臥位で軽減する
  • ヘッドアップチルト試験や起立試験で臥位から立位とした時に、10分以内に1分間の心拍数が30以上上昇する
    (20歳未満は、10分以内に1分間の心拍数が40以上上昇する)
  • 起立時の血圧低下がない(収縮期血圧 20mmHg以上の低下がない)

診断の補足事項

  • POTSは夕方と比べて午前中のほうが症状が強い。診断の精度を高めるには起立試験は午前中に行う方がよい。5
  • 立位時の頻脈を起こす他要因(脱水・失血などの急性血液量減少、副腎不全・カルチノイド腫瘍・甲状腺機能亢進症・褐色細胞腫などの内分泌障害、貧血、不安・パニック、薬の影響、長期臥床)が無い事を確認する。4
  • 症状の継続が3カ月以上でPOTSと診断することが増えてきている。4,6,7

患者さんの受診前のヒント

POTSが疑われる患者さんは、自宅の血圧計で、症状が現れる時間帯に、以下のような方法で臥位と立位の血圧・脈拍を測定し、診察時にデータを持参するとスムーズな診療につながることがあります(症状が重い場合は立位でなく座位でもかまいません。失神して頭を打つなどないように安全に行ってください)

1. 横になり安静にして10分後に、血圧・脈拍を測定
2. 立ち上がって(または座って)1~2分おきに、血圧・脈拍を測定
3. 10分後(または途中でギブアップした場合)横になって、血圧・脈拍を測定

患者さんは症状が軽い時間帯しか受診できないことがあるので、できるだけ真の状態を主治医に共有してください。

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最終更新日:2022年4月30日