POTSの概要 1,2

体位性頻脈症候群(Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome(POTS)ポッツと読みます)は、身体が横になっている状態から立っている状態へと動いた時に、心拍数が大きく上昇し、起立不耐症(立位の維持が困難となる症状)を特徴としています。

立ち上がると、立ちくらみや動悸などの症状が現れます。横になると症状がやわらぎます。また立っていない時に、疲労感、運動不耐、胃腸症状などが現れることがあります。慢性的で、就学や就労の制限、QOL低下、身体不自由、経済的困窮になることがあります。

発症は年齢・性別によらずみられますが、北米では12~50歳の女性に好発する(80%以上)と言われており、発症のきっかけはウイルス感染、身体的外傷、初潮、妊娠、手術の後などが挙げられています。

POTSにみられる多彩な症状や臨床的特徴は、患者さんによってちがいがあり、いくつかの病因・病態が考えられています。メカニズムに神経障害性、循環血液量の減少、高アドレナリン、自己免疫などがあるとされていますが、病因・病態はまだ十分に解明されていません。疫学知見、病因・病態の解明、診断・治療法の開発が急務となっています。

POTS(Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome) image


POTSの症状 1,2,3,4

POTSは立位時に心拍数が大きく上昇し、以下のような症状が現れます(すべての症状が必ず現れるということではありません)

  • 立ちくらみ、めまい
  • 失神前状態、失神
  • 動悸
  • 息切れ
  • 胸痛
  • 振戦(震え)
  • 脱力
  • 目がぼやける
  • 下肢の色調変化(赤紫色)

その他に、以下のような症状が現れることがあります。

  • 頭痛
  • エネルギー低下、疲労感、倦怠感
  • 胃腸症状(吐き気、腹痛、腹部膨満感、便秘、下痢)
  • 膀胱症状
  • 睡眠障害
  • ブレインフォグ(集中力・思考力・記憶力の低下)
  • 光・音の過敏症
  • 四肢の冷え・痛み

POTSの症状は、以下のような時に悪化することがあります。

  • 過度な暑さ
  • 食後
  • 急な起立
  • 脱水
  • 午前中
  • 生理
  • 長期臥床
  • アルコール
  • 過度な運動
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最終更新日:2023年4月8日