2021年2月28日(日)「起立不耐症・起立性調節障害セミナー ~重症例・難治例の理解とサポート~」を開催し、コロナ禍のためオンラインで、約120名の方にご参加頂きました。
東京女子医科大学 東医療センター 内科の佐藤 恭子先生、東京女子医科大学 東医療センター 小児科、多田小児クリニック 院長の多田 光 先生にご講演頂きました。


佐藤恭子先生からは「難治性POTS・起立不耐症」についてお話頂き、起立不耐をきたす疾患、体位性頻脈症候群(POTS)の概要、課題、診断基準、受診状況、これまで指摘されている病態生理やサブタイプ、療養のヒント、非薬物療法、薬物療法などを教えて頂きました。

特に自宅でできることとして、困っていることをメモして整理すること、さまざまな非薬物療法(水分塩分補給、足からウエストまでの弾性ストッキング、横になったままでもできる「ゆる体操」、ダイナミックリラクゼーション運動、”まだ大丈夫”を目安とする有酸素運動など)を教えて頂きました。

そして、POTSには多様性があること、いますべての患者さんに有効な治療方法はまだ無いこと、環境整備(通勤通学方法、始業時間・就労時間、学習・就労内容)のための相互理解や医療機関相談の大切さを、Take Home Messageとして頂きました。

Dr_Sato


多田光先生からは「小児の起立不耐症(起立性調節障害)」についてお話頂き、起立性調節障害の概要やメカニズム、学校で辛い事、起立性調節障害の身体症状項目、診断、身体的重症度の判定、心身症としてのODチェックリスト、合併症(睡眠障害、集中力の低下、発達障害、不登校との合併)、対応方法、治療方法、症例について、教えて頂きました。

特に合併症の発達障害は、ODの20~30%でみられるため、ADHDやASDについてご説明頂きました。
また治療として、水分塩分摂取、運動、急な起立を避ける、就寝時間を早める、学校との連携理解、心理療法の援助などをご説明頂きました。

そして、起立性調節障害は身体疾患であること、「気の持ちよう」や「夜更かしの是正」だけでは治らないこと、日内変動や季節変化があること、家族・学校・友人の理解や協力、家庭・学校・医療の連携や共通理解の重要性(医師に診断書を書いて頂くなども大切)、子供の”出来ている面”に焦点を当て、心理的負担を減らすことが大切であると教えて頂きました。

Dr_Tada


また開催前に、参加者にアンケートを行って先生方に聞きたい事を募り、トークセッションで取り上げて、質疑応答の代わりとしました。患者様がさまざまな経過や症状で、どうしたらいいか困っている事がつたわってきました。

Talk Session

今後も啓発活動を続け、起立不耐症・起立性調節障害でお困りの方が、正しく理解され、お一人お一人の適切な診療・支援につながるよう取り組んでまいりたいと思います。

先生方、参加者の皆様、ご支援・ご協力を下さった皆様に心より御礼申し上げます。

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