POTSの概要 1
体位性頻脈症候群(Postural orthostatic tachycardia syndrome, POTS ポッツと読みます)は起立不耐症(Orthostatic Intolerance, OI)の1つです。
起立不耐症は、身体が横になっている状態から立位へと動かした時に、心臓に戻る血液量が著しく減少して、立ちくらみや失神などの症状が現れます。
POTSは、立位で心拍数が急上昇して立ちくらみや失神などの症状が現れます。横になると症状がやわらぎます。年齢や性別によらず発症しますが、米国では男:女比はおおむね1:4で、15歳~50歳の女性が発症しやすいと言われています。生理前に症状が悪化する場合があります。
POTSは妊娠、手術、身体的精神的外傷、ウイルス感染後の発症がしばしば見られます。失神やめまいで労作が難しい場合があります。
立位で心臓に戻る血液量が減少する原因や、頻脈となる原因はまだはっきりわかっていません。しかし最近の研究でさまざまなメカニズムがあると考えられています。たとえば神経障害性、高アドレナリン性、身体機能低下性などのケースがあります。
POTSの症状 2
POTSは起立不耐症状が特徴的で起立時に心拍数が急上昇します。
また以下のようなさまざまな症状があらわれることがあります。
- 目がぼやける
- 立ちくらみ、めまい、失神
- 動悸
- 頭痛
- 集中力の低下
- 疲労感
- 胃腸障害(吐き気、腹痛、腹部膨満感、便秘、下痢)
- 息切れ
- 頭部・頸部・胸部の不快感
- 脱力
- 睡眠障害
- 活動困難
- 不安感
- 四肢の冷えや痛み
参考 1. The National Institute of Neurological Disorders and Stroke, NINDS Postural Tachycardia Syndrome Information Page ![]() 2. Genetic and Rare Diseases Information Center, GARD Postural orthostatic tachycardia syndrome ![]() |
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最終更新日:2019年1月22日